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「IT企業の人材マネジメント」 ダイバーシティーな人材を活かす組織づくりは社員の特性の理解が重要

IT企業 人材育成開発 おもしろい OFFICE P

IT企業にダイバシティーな個性豊かな人材が集まる背景

IT企業は、若い世代が多く、在職年数が短く、転職回数が多いという特徴の流動性の高い労働市場です。そのため、多様な個性豊かな人材が集まりやすいと言えます。また、技術分野の多様化により、IT企業にはエンジニアやWebデザイナーだけでなく、ビジネスサイドやマーケティングサイドなど様々な職種の人材が必要になっています。これは、IT業界が急速に発展している分野であるため、新しい技術やトレンドが頻繁に出現するためです。また、IT業界は、労働市場がグローバル化しているため、海外からの人材も集まりやすく、ダイバーシティーのある職場として注目されています。このように、IT企業は社員の物事の捉え方や仕事の進め方にも違いがああり、多様な背景や経験を持つ人材を積極的に採用し、それぞれの個性を活かすことが求められます。そのため、経営陣や管理職は、多様な人材を活かすことができる人材マネジメントの理解と策定が必要です。

人材の流動性の高さは、従業員の定着率が低いことも意味します。このためIT企業は、ワークライフバランスの向上や福利厚生、給与など、働きやすさ、そして社員の定着と採用に力を入れる必要があります。そのため、そのため経営陣や管理職は、多様な価値観や経験を活かす(生かす)人材マネジメント(HRM)の理解と策定が重要になってきます。つまり、多様な価値観や経験を持つ社員の育成や活用に取り組むことが、人材マネジメントの成功につながると言えます。

同じ職種でも考え方の違いがはっきり

エンジニアにも人それぞれの特性があり、その特性に合わせた働き方やキャリアアップの方法を提供することが重要です。例えば、技術の追求を重視するエンジニアには、研究開発や新規プロジェクトに携わる機会を与えることが必要です。一方、リーダーシップの発揮を目指すエンジニアには、プロジェクトリーダーやマネジメントトレーニングの機会を提供することが必要です。また、オールラウンドに対応したいエンジニアには、複数のプロジェクトに参加する機会や異なる技術領域に触れる機会を提供することで、多角的なスキルを身につけられるようにすることが必要です。エンジニア個人の特性を活かしながら、組織全体で協力し合いながら業務を遂行することができるよう、適切な人材マネジメント(HRM)をおこなうことが求められます。

人材マネジメントではエンジニアの特性や志向性を理解し、その人の長所を最大限に活かすことは、組織の成果に直結する重要な要素の1つです。また、このようなアプローチは、エンジニア自身のモチベーションや働き方にもつながります。そのため、組織はエンジニアの特性や志向性を把握し、適切な人事配置やキャリアアップの支援を行うことが求められます。これにより、エンジニア自身が自己実現や成長を実感できるような職場環境を作り上げることができます。その成果は、定着率の向上、つまり離職率の低下、さらには採用や教育のコストの削減などにつながるので、費用対効果はとても高いものといえます。

適材と適所をマッチングできる環境を整える

社員の特性や適性を十分に理解し、適材と適所をマッチングすることは、社員のモチベーションや能力発揮につながるだけでなく、企業の成果や業績向上にもつながります。社員が適性に合った仕事を担当することで、その人のスキルや経験がより生かされ、仕事の効率やクオリティも向上します。また、社員が仕事にやりがいを感じることで、モチベーションが高まり、生産性や貢献度も向上することが期待できます。なぜなら社員にとっても自分に合ったポジションで働けることで、やりがいを感じることができ、スキルアップやキャリアアップに向けての目標を持てるようになるからです。さらに、企業が社員の特性を理解して適材適所をマッチングすることで、社員が会社に長く在籍し、企業にとっても長期的な人材確保ができるというメリットもあります。

そのため、企業は社員の適性を把握するために、評価やアセスメント、キャリアパスなどの仕組みを整え、社員の個性や特性に合わせた適切なキャリアパスを提供することが大切です。同時に、社員が自分のキャリアパスや成長の方向性を明確にしておくことで、会社側もそれに合わせた研修やトレーニングプログラムを提供しやすくなります。このように、社員の能力開発やスキルアップに対する研修やトレーニング、キャリアアッププログラムなどを提供することで、社員の成長を支援することができます。

特性の把握は、タレントマネジメントやピープルアナリティクスのベースになる

このように社員の特性を把握しておくことで、管理職は部下の適正にあった配置、評価、そして人材育成開発(HRD)をおこなうことができます。社員の特性を把握することは、タレントマネジメントピープルアナリティクスの基盤となる重要なステップです。社員の特性を考慮しない人事配置や評価は、社員が能力を十分に発揮できず、会社全体のパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。そのため、社員の特性を把握し、適材適所の配置を実現することが、企業の成長や発展につながると言えます。また、特性を把握する過程で、会社全体の要件定義を振り返り、会社の強みや弱みを把握することもできます。これにより、会社全体の戦略的な人材配置や育成プログラムの策定につながる可能性があります。

このようなアプローチは、従業員エンゲージメントを高め、企業文化の改善にもつながります。また、ピープルアナリティクスを活用することで、データに基づいた意思決定が可能になり、人材育成開発(HRD)や組織改善につながるため、今後ますます重要な役割を果たしていくことでしょう。

ウチとヨソは違う

ITエンジニアは、会社との相性や雇用条件が合わなければ転職が容易な状況の「売り手市場」です。ITエンジニアは需要が高く、転職市場が活発なため、求職者が自分に合った職場を選べる状況にあるので、企業側も、採用した人材を長期的に定着させることが求められます。そのため、企業は自社の強みや魅力をアピールし、働きやすい環境を整備することが必要です。ただし、企業が考える“働きやすさ”が、現場のニーズと異なっている場合があります。また、大企業と小規模企業とで資本や知名度に差があることから、後者の企業は採用や定着に苦労することもありえます。そのため、経営陣が制度を導入する前に、現場のニーズを十分に把握することが重要です。

一方で、企業が自社のニーズに合わせた制度や施策を設けることは重要ですが、現場のニーズと乖離している場合もあるため、エンジニア自身からの意見やフィードバックを積極的に取り入れることが必要です。特に、新卒エンジニアはまだ業務経験が少ないため、自分自身のニーズをうまく表現できないことがあるため、上司や先輩エンジニアが積極的に聞くことが重要です。また、中途採用のエンジニアは、前職での経験や希望するキャリアパスに応じた就業環境を求めることがあるため、面接や採用時に十分な情報収集を行うことが必要です。

社員からのフィードバックを収集するためには、アンケートや面談などが有効です。ただし、社員からのフィードバックを収集するだけでなく、それを反映させることが重要です。社員の声を聞いても、何も改善しなければ、社員のモチベーションが下がるだけでなく、採用した人材が定着せず、生産性が低下する可能性があります。企業側は、社員からのフィードバックを受け止め、改善に取り組む姿勢が求められます。

つまり、経営陣が良かれと思って導入した制度が現場のニーズと大きく乖離している場合もあるため、社員からのフィードバックは非常に重要です。経営陣が社員の声に耳を傾け、実際のニーズに合った制度を導入することで、定着率の向上や生産性の向上につながってきます。

コンセプトからブレないことが大切

ヒアリングでは、就業環境の改善につながるアイデアやヒントを見つけることができます。そのなかには、一見突拍子のないような意見でも話を進めていくと問題の本質を明らかにしているものがあります。ヒアリングを通じて得たアイデアやヒントを、会社のコンセプトに沿って整理して、実現可能なものは取り入れることが大切です。共感を得るためには、社員が会社の目指す方向性に賛同し、自分たちの働き方がその方向性に沿っていると感じることが必要です。ヒアリングを通じて得たアイデアやヒントを実行することで、社員のモチベーションや生産性が向上することが期待できます。

ここで重要なのはパーパス、MVV、世界観などの会社のコンセプトから絶対にブレないことです。どんなに素晴らしい意見であっても会社のコンセプトと違った内容では、本質から大きくズレてしまいます。会社のコンセプトを軸に、どのような就業環境が期待できるのか念頭に入れてヒアリングをおこないます。ここで最も重要なことは、会社のコンセプトと就業環境に共感してもらうことです。共感は給与や福利厚生とは異なる魅力を社員に訴えかけられます。だからといって共感に過度に期待するのではなく、職務、職能、職責に見合った給与や福利厚生を整えることも忘れてはいけません。

IT企業のコンセプトデザインと人材マネジメント(HRM)は、多種多様な人材を活かす(生かす)組織づくりが重要です。コンセプトに共感することが、社員が会社に貢献したいと思う原動力になります。しかし、それは単なる言葉の上ではなく、実際に社員が経験することで実感するものでなければなりません。そのためには、コンセプトに基づいた具体的な行動や取り組みが必要です。また、社員の多様性に合わせて、柔軟な人材マネジメントを行うことも重要です。ただし、それらの取り組みがコンセプトとズレてしまわないように注意が必要です。コンセプトと人材マネジメントをバランスよく進めることが、組織の持続的な成長と社員の定着につながります。

パーパスやMVVの策定などコンセプトデザインでお困りでしたら、まずはお気軽にご相談ください。