事業の成長に伴って社員の役割や求められる能力が変わるなか、既存の評価基準を見直した人材育成開発の事例です。
企業が成長すると、創業時には適切だった評価基準が、現在の仕事を十分に捉えられなくなることがあります。評価項目が残っていても、実際の仕事でどのような行動が成果につながっているのかが明確でなければ、評価にも育成にも活かしにくくなります。
今回のプロジェクトでは、社員への個別インタビューや各部署へのヒアリングを通じて、現在の仕事で求められている行動を確認しました。その内容をもとにコンピテンシーを見直し、評価と人材育成開発の双方で活用できる基準へ再構成しています。
プロジェクトの進め方
評価項目そのものを先に書き換えるのではなく、現在の仕事でどのような行動が求められているのかを確認することから始めました。
制度上の基準と現場の実態を照らし合わせ、成果につながる行動を具体的に捉えます。そのうえでコンピテンシーを再定義し、評価だけでなく育成にも使える基準へ整えました。
01|現場と評価基準のズレを捉える
まず、現在の評価基準が実際の仕事をどこまで捉えているのかを確認しました。
社員への個別インタビューでは、日々の仕事で意識していることや判断に迷う場面、評価に対する受け止め方などを聞き取ります。各部署からも業務内容や役割について話を聞き、制度上の基準と現場の実態を照らし合わせました。
評価表だけでは見えにくい仕事の実態を捉えるところから始めています。
02|成果につながる行動を読み解く
次に、実際の仕事で成果につながっている行動を確認しました。
「能力が高い」「主体性がある」といった抽象的な評価では、何を見て判断したのかが分かりません。どのような状況で、どのように判断し、どのような振る舞いをしているのかまで具体的に捉えます。
社員へのヒアリングから得た情報を照らし合わせ、成果を生み出す行動の共通点を見つけていきました。
03|コンピテンシーを再定義する
抽出した行動を既存の評価基準と比較し、現在も活用できるものと見直すべきものを整理しました。
評価する人によって解釈が変わりやすい表現については、実際の仕事で確認できる行動へ置き換えます。何を評価するのかが具体的になれば、本人もマネージャーも同じ基準から仕事を振り返れるようになります。
こうして、現在の事業や仕事の進め方に合ったコンピテンシーへ組み直しました。
04|評価と育成の両方で活用する
コンピテンシーは、評価のためだけに使うものではありません。
現在どのような行動ができているのかを確認できれば、本人の振り返りにも使えます。マネージャーにとっても、何を伸ばす必要があるのかを考える材料になります。
評価基準と人材育成開発を別々に考えず、同じ行動基準から本人の成長やマネジメントを考えられるようにしました。
05|社員が理解できる基準へ整える
新しい評価基準を制度として導入するだけでは、日々の仕事には活かしにくくなります。
社員自身が「自分の仕事では何を求められているのか」を理解できることが重要です。そのため、抽象的な能力表現をできるだけ避け、実際の仕事で確認できる行動として整理しました。
評価する側と評価される側が同じ基準を見ながら仕事を振り返れる状態を目指しました。
OFFICE Pの役割
OFFICE Pは、既存の評価項目を見直すだけではなく、現在の仕事で実際に求められている行動を捉えるところから関わりました。
社員へのインタビューや各部署へのヒアリングを通じて、制度上の評価基準だけでは見えにくい仕事の実態を確認しています。そこから成果につながる行動を整理し、コンピテンシーとして言語化しました。さらに、その基準を評価だけに使うのではなく、本人の振り返りやマネージャーの育成にも活用できるように設計しています。
評価するための基準と、人を育てるための基準を別々に置くのではなく、実際の仕事で求められる行動を共通の基準として捉え直したことが、このプロジェクトの目標です。