創業時に掲げた企業理念と、事業の拡大によって変化した現在の事業との関係を見直したコンセプトデザインの事例です。
事業が成長すると、創業当初の考え方と現在の事業との間に少しずつズレが生まれることがあります。理念そのものを変える必要があるとは限りません。まず、創業時に何を考えていたのか、現在はどのような事業をおこなっているのかを照らし合わせることが重要になります。
今回のプロジェクトでは、創業メンバーへのヒアリングを起点に、企業が大切にしてきた考えと現在の事業を整理しました。その内容をPurpose・Mission・Vision・Valueへ落とし込み、理念と事業の関係を改めて捉えています。
プロジェクトの進め方
理念を最初から書き直すのではなく、企業のなかにある考えをたどるところから始めました。
創業時の背景、これまでの事業展開、現在のサービスを照らし合わせることで、受け継ぐべき考えと、現在の事業に合わせて見直す部分を整理します。
そのうえでPurpose・Mission・Vision・Valueの関係を組み直し、理念を事業や日々の判断にも活かせる形へ整えました。
01|創業時の考えをたどる
まず、創業メンバーへのヒアリングをおこないました。
なぜこの事業を始めたのか。創業時には何を実現しようとしていたのか。現在の理念だけでは分からない背景まで掘り下げることで、企業のなかに残っている考えを確認しました。
現在使われている言葉をそのまま評価するのではなく、その言葉が生まれた理由までたどることを重視しています。
02|理念と事業の関係を捉える
創業時の考えを確認した後、現在の事業と照らし合わせました。
サービスの内容、顧客に提供している価値、事業の展開を確認し、理念として掲げていることと、実際の事業との関係を整理します。
ここで重要なのは、理念と事業のどちらかを正しいものとして扱わないことです。両者を比較することで、現在の企業が何を大切にしているのかを改めて捉えました。
03|Purpose・Mission・Vision・Valueを再構成する
整理した内容をもとにPurposeを加え、Mission・Vision・Valueとの関係を見直しました。
それぞれの言葉をきれいに整えることが目的ではありません。企業として何を目指すのか、何を実現したいのか、どのような価値観を持つのかを、それぞれの役割が分かるように整理します。
4つの考え方がばらばらに存在するのではなく、事業や判断を考える際に同じ文脈から捉えられるようにしました。
04|仕事の場面に置き換えて検証する
企業コンセプトは、言葉として完成しただけでは十分ではありません。
実際の仕事では、どのような判断や行動として表れるのかを確認しました。「挑戦する」「顧客を大切にする」といった解釈の幅が広い言葉についても、具体的な仕事の場面に置き換えて考えます。
社員が日々の判断に使える言葉になっているか。その視点から内容を見直しました。
05|社外への発信へ展開する
整理した理念は、Webサイトや採用など社外に企業を伝える場面にも展開しました。
理念だけを読んだときと事業内容を読んだときに、異なる企業像が伝わってしまえば、せっかく整理した言葉も機能しません。
企業が何を大切にし、どのような事業をおこなっているのかが一貫して伝わるよう、情報の順序や表現を整えました。
OFFICE Pの役割
OFFICE Pは、外部から新しい理念を当てはめるのではなく、企業のなかにある考えを読み解くところから関わりました。
創業時の思考と現在の事業を照らし合わせ、理念と事業の間にあるズレを確認します。そのうえで、企業が大切にしてきた考えを残しながら、現在の事業にも対応できる言葉へ整理しました。さらに、Purpose・Mission・Vision・Valueの関係を整え、日々の判断や社外への発信にも活用できるよう展開しています。
企業のなかにすでにある考えを見つけ、それを現在の事業と照らし合わせ、判断に使えるコンセプトへ組み立て直すことが、このプロジェクト目標です。