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IT企業のパーパスとMVVの策定 成功事例①ヒアリング

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IT企業の新しいパーパスとMVVをつくる

東京の渋谷に拠点を置くIT企業では、事業拡大に伴い従業員数が200人を超え、多様な価値観や意見が存在するようになりました。この状況をふまえ、これまでのミッション・ビジョン・バリュー(MVV)では方向性と認識のズレが生じており、将来の成長には適していないとの相談が寄せられました。そこで、未来を見据えた新たなコンセプトの策定に取り組みました。

コンセプトデザインの準備 – コミュニケーション –

新たなパーパスやMVVのコンセプトをデザインする前に、経営陣との意思疎通を図ることは非常に重要です。これは、会社全体での改革に取り組む姿勢を持つために、受け身の姿勢ではなく積極的な参加が必要であることを示すものです。

「コンセプトのデザインを依頼すれば、全てを解決してくれる」というような考えではなく、経営陣が真剣に改革に取り組む姿勢を持たなければ、その意志は会社全体に伝わりません。したがって、最初に経営陣との意思疎通を図ることで、プロジェクトが円滑に進むようになります。

意思疎通のプロセスでは、経営陣とのミーティングやディスカッションを通じて、今後の方向性や目標についての確認を行います。経営陣の期待やビジョンを理解し、それを基に新しいパーパスやMVVのコンセプトを策定することが重要です。

経営陣の本気の姿勢がプロジェクトに反映されることで、社員全体が改革に取り組む意欲を高めることができます。また、経営陣のサポートやリソースの提供も得られるため、プロジェクトの成功への道がより開けてきます。経営陣との意思疎通を確実におこなうことで、新たなパーパスやMVVのコンセプトのデザインにより一層の前進が期待できます。

コンセプトデザインの準備 – ヒアリング –

経営陣、管理職、一般社員の各職位の意見を把握するために、ヒアリングを実施しました。このヒアリングでは、「匿名性(秘密厳守)」と「人事考課と無関係」の前提が守られることが非常に重要です。

参加者が匿名で意見を述べることができる環境を提供することで、本音を引き出しやすくなります。また、ヒアリングの結果が人事考課に影響を与えることがないことも非常に重要です。これらの約束事により、参加者は自由に現状や課題について率直な意見を述べることができます。このルールの厳守によって、参加者は自由に意見を述べることができ、自分の立場や役割に関わる問題や課題について率直に語ることができました。経営陣、管理職、一般社員のそれぞれが持つ視点や経験から得られたフィードバックは、組織の課題や改善点を明確にする上で非常に貴重なものでした。

ヒアリングを通じて、現在の状況や課題、さらには組織全体の意見を集約し、それぞれの立場や視点からのフィードバックを考慮しながら新しいコンセプトのアイデアやヒントにつながりました。なぜなら、経営陣、管理職、一般社員のそれぞれの立場からの意見を収集することで、組織全体の視点を得ることができるからです。これにより、将来の成長に適した方向性を見据えたコンセプトを実現するための準備が整いました。以上のように、参加者の声に真摯に向き合い、必要な改善策を実施することで、組織の発展と成長を促進することができます。

※OFFICE Pは、契約社員やアルバイトなど非正規社員からも意見を聞くことを奨励しています。制約のある働き方をしている従業員からの意見も、ダイバシティマネジメントを策定する際の貴重な知見になります。
組織全体の意見を反映することで、より包括的なパーパスやMVVの策定を目指すことができます。OFFICE Pは、多様性と包括性を尊重し、社員全員が参画できる環境づくりを推進しています。

コンセプトデザインの準備 – ヒアリングの集約 –

ヒアリングで把握した意見は、匿名性を守りながら、各職位ごとにまとめられ、経営陣に報告されます。経営陣が報告書の内容を読んだ際の反応は、予想通りのものから予想もしていなかった現実を知り驚きを隠せないものまで様々です。

相反する意見が存在する場合、それは組織内の異なるグループや部門間の認識のズレを示すこともあります。このギャップを認識することは、問題の解決に向けた接点を見つけるための重要な一歩です。相反する意見には、組織内の潜在的な課題やコミュニケーションの改善点が含まれている可能性があります。そして、相反する意見は、お互いに気づいていない視点や潜在的な課題が存在している可能性があり、異なる職位やバックグラウンドを持つ人々からの意見を通じて、経営陣は組織内の多様な視点やニーズに気づくことができます。異なる職位やバックグラウンドを持つ人々からの意見は、組織のなかでの異なる視点や価値観を示してくれます。これによって、問題や課題の本質を深く理解し、それに対する解決策を見つけることができます。

このように、相反する意見を分析して共通点や解決策の糸口を見つけることは、パーパスとMVVを策定する上で重要です。異なる視点を統合し、組織全体の方向性を明確にすることで、経営陣はより包括的でバランスの取れた戦略を策定することができます。また、意見の相反は、新たな発見や創造的なアイデアの芽を生み出すこともあります。経営陣は、このギャップをチャンスと捉え、さまざまな視点を融合させることで、組織の成長や変革につながる方向性を見出すことができます。経営陣はこのギャップを受け入れ、オープンな対話と協力を通じて組織の未来をより良いものにしていくことが求められます。

ヒアリングを第三者がおこなうメリット

ヒアリングは利害関係のない第三者が実施することで、参加者は率直な意見を述べる可能性が高まります。しかし、初対面の人に簡単に心を許すことは難しいため、コミュニケーションにはNLP(自然言語処理)の理論であるラポールやブリッジなどを活用し、話しやすい環境を作り出すよう努めています。

ヒアリングを受けていただく際には、「匿名(秘密厳守)」と「人事考課とは無関係であること」を必ず伝え、経営陣への報告もルールを厳守しています。こうすることで、上司や同僚には打ち明けづらいことでも、参加者はよりオープンに自身の意見や思いを表明できる環境を感じることができます。ただし、当社ではパーパスとMVVを策定することが目的であるため、仕事やプライベートに関する深入りはせず、参加者のプライバシーを尊重しています。

次回は、IT企業のパーパスとMVVの策定② アイデアの創出です。

パーパスやMVVの策定でお困りでしたら、まずはお気軽にご相談ください。