覆面調査（ミステリーショッパー）だけでは不十分な理由
覆面調査（ミステリーショッパー）の調査は、クローズド・クエスチョンが中心で、「はい（YES）、いいえ（NO）」の二者択一や「A or B or C」の三者択一などで答えられるような回答範囲を狭く限定した質問です。選択肢が見当たらない場合、解答に近い設問を選択するため精度は低くなります。さらに定量分析の要件定義によっては、データ分析の専門性が求められます。もし、アンケート調査や覆面調査（ミステリーショッパー）の結果に満足できない場合は、データ分析の精度が低かったり要件定義が曖昧になっている可能性があります。そのため、調査の結果に自信をもって経営判断することができません。これは、情報の見える化が進んでいないので、意思決定に迷いが生じていることも意味します。
覆面調査でわかるのは表面的な事実
覆面調査は、調査員が顧客になりすまして店員の接客態度、サービスの質、清掃状況、その他の顧客の様子、店舗の印象などをチェックして、店舗やブランドの実態を把握します。この方法は調査項目から店舗やブランドの「良し悪し」を確認することができます。しかし、過去の実績や目標値などの各種データとの整合性と比較して、最適解を導くことは難しいです。あくまでも「良し悪し」から、過去と現在を比較して表面的な事実を知ることに留まります。そのため、今後のKGIやKPIの策定に必要な情報の質が不十分といえます。
2つの大きな問題点
1. 調査員の質
覆面調査は、調査会社の社員以外にアルバイトやパートに依頼している会社も少なくありません。顧客視点という意味では消費者目線のリアルな意見が聞けますが、知識とスキルの不足で主観的な感想となってしまう可能性があります。主観的な意見も大切ですが、整合性の高い客観的なデータが求められます。
2.情報漏洩
調査員が交通機関やカフェなどの公共のスペースでの作業、フリーWi－Fiの使用などをおこなった場合は、ウイルス感染や他人からの閲覧など情報の漏洩・流出のリスクがあります。また、昨今社会を騒がしているSNSへの書き込みも同様のリスクがあります。これらのリスクを最小限に抑えるためにも情報管理とセキュリティ対策は、企業の信頼性と顧客情報保護のために極めて重要な問題です。
ビジネスインテリジェンスで意思決定の質を高める
ビジネスインテリジェンス（BI：Business Intelligence）の活用は、覆面調査だけでは不十分なニーズアセスメントや経営課題の解決に役立つ方法です。BIは既に存在するデータを活用し、ビッグデータからナレッジを導き出すことで、事業の意思決定をサポートします。
ビジネスインテリジェンスは、ビックデータを収集・分析し、事業の意思決定に有益な情報や洞察を提供するプロセスです。BIによって、顧客のニーズや傾向の変化、従業員のパフォーマンスの評価など覆面調査では把握しにくいトレンドやパターンを発見し、未来の予測に向けた視点を広げていきます。このように、覆面調査とビジネスインテリジェンスのデータ分析を組み合わせることで、より客観的な意思決定が可能となります。ただし、BIの適用には適切なデータの収集と分析、適切なツールとリソースの整備が必要です。そのためには、コンセプトと人材に関する専門的な調査をおこない、適切なデータの収集と分析を実施することで、ビジネスインテリジェンスの適用におけるデータや情報の質と量を向上させることができます。
ビジネスインテリジェンスの概要
過去、現在、そして未来に視野を広げていくためには、まず問題解決の要件定義と要求定義を明確にする必要があります。これにより、目標やゴールを明確にイメージすることができます。ただし、この段階では最終的なゴールが固定されたものではなく、分析の過程でゴールが変化する可能性もあります。ビジネスインテリジェンスは、蓄積されたビッグデータの分析を通じてデータは情報、さらに情報はナレッジにアップデートするするプロセスをサポートします。
目的
✓企業が抱える経営の問題課題の明確化
✓問題課題の解決に向けた要件定義や要求定義の明確化
✓既存データの収集・集計
様々な知見やノウハウに基づき、お客様が直面している問題や課題を考え、それらの解決にビッグデータの活用をおこないます。これにより、豊富なデータを分析し、問題の本質を把握し、効果的な解決策を提案することが可能となります。
ビックデータの活用
✓ビジネスインテリジェンスの実装
✓仮説の検証
✓報告
OFFICE Pはビジネスインテリジェンスで導き出したナレッジだけでなく、ビジネスインテリジェンスの導入全体を支援し、お客様の組織や企業におけるデータの収集、分析、報告、活用方法、定着化に関してもサポートします。覆面調査（ミステリーショッパー）の結果だけでは不十分な場合は、OFFICE Pの臨店調査とビジネスインテリジェンスの組み合わせをおすすめいたします。当社は企業や組織のデータの収集、分析、報告、活用方法、定着化まで、幅広いサポートを提供します。まずはお軽にご相談ください。